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進は壁掛け時計を見た。
まだ登校時刻の8時15分まで40分もある。
ここから自転車で行けば、15分で学校に行ける。
要するに、まだまだ余裕だ。
「別に大丈夫だよ~」
進はせっかちな母親に呆れながら言った。
ゆっくりとトーストを飲み込む。
「宿題終わらせたんでしょうね!?」
母はピリピリしている。
「やったよ……昨日。」
めんどくさそうに答える進は、目玉焼きに取り掛かった。
「ならいいんだけどね。」
せわしなくしゃべる母。
心配性は本当に困る。
まあ、それは進を思っていることの裏返しなのだろうが。
進は目玉焼きを食べ終わり、テーブルの下に置いといたバックを掴む。
「いってきま~す」
気のない脱力した言い方で言うと、進は自分の家を出ていった。
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