第4話。

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『…ごめん、な』 俺は優しく和洋を抱きしめ、呟くかのように囁く。 和洋の手は、俺の背中にしがみつくように抱き着いてきて。 …何と無く、手が震えている事が解った。 『忘れたく、ねぇよ…ッ…』 「…俺は、どんな風になっても和洋が好きだよ」 『好き、なのに…こんなに…ッ、愛してるのに…!』 優しく和洋の頭を撫でながら、空に光る月に目を移す。 気付かなかったけど、今日は嫌な程の綺麗な満月だった。 ――満月に照らされながら、俺達は抱きしめあった。 和洋の温もりが、肌に直接伝わる。 俺の肩に、涙の生温い感触。 …俺も、和洋と離れたくねぇよ。 このまま、時が止まってほしい。 ――気が付くと、俺の目からも涙が零れていた。 俺は拭う事さえしなかった。 一瞬でもこの体を離せば、消えてしまいそうで。 「…愛してる」 そう囁いた言葉は、通りすぎたバイクの音と共に、駆け抜けていった―…。
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