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季節は冬。
もうすぐ、X'masというイベントが来るっていうのに。
俺ら2人の間には冷えたような空気が流れていた。
『俺、病気なんだって』
「…え?」
突如、恋人―…森田和洋に言われた。
俄かに信じがたい話。
ましてや、あっさりと言うから尚更だ。
『若年性アルツハイマーっつってさ、記憶がどんどん失くなるって』
そう言って苦笑した和洋の顔は、冗談の表情ではなかった。
…何、言ってんの?
『…今までの思い出とか、ッ…消えてっちゃうって…』
徐々に揺れる声。
零れ出した、澄んだ雫。
強がりで勝ち気な和洋の、久々に見る涙だった。
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