第3話。

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俺達はその日、遊園地に来ていた。 暗くなって来て、遊び疲れも溜まって来たのかベンチに腰を下ろす。 「去年もさ、2人で遊園地来たよな」 『うん、来たね。懐かしー…』 微笑む和洋を見て安心し、視線を観覧車へと移しそのまま話し出す。 「ここのベンチで、和洋アイス零してさ。で、ガキみたいに俺につけてきて……」 『ごめん』 「え?」 言葉をいきなり遮られ、しかも謝られれば目を丸くして視線を和洋に戻す。 『…覚えて、ないんだ』 そう言って、和洋は苦笑した。 ―…そう。 もう、和洋の頭の中は少しずつ蝕まれていっている。 少しずつだが、確実に。 俺は返す言葉が見付からず、先程の場所へ視線を戻した。 『俊也』 「…ん?」 『観覧車、乗らねぇ?』 「…あぁ」
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