112人が本棚に入れています
本棚に追加
「はい。これで冷やしなよ。」
そう言って芽の視線に合わせるようにしゃがみ込んでハンカチを芽に渡す。
「とりあえず、立ち上がろうか。」
少女は声を掛けると芽を支えるように立ち上がらせてくれた。
「ありがとうございます。私は大沢 芽といいます。」
芽はまだ少し顔を赤くして、渡されたハンカチでタンコブを押さえながらもきちんとお礼をいうと、頭を下げてから名乗った。
「ああ、名乗るのが遅くなってごめんね。私は3年菊組の島田 悠(しまた ゆう)別の名で呼び子もいるけどね。」
(?別の名?え~と、この学園は上級生を名前の後に様付けで、下級生はさん付けだったけ。)
内心?を浮かべるもこの学園の規則を思い出す。
「上級生の方だったんですね。…悠、様ですね」
答えた芽に悠は名前を呼ぶのに少し間が合ったの気付き。
「芽ちゃんは外部からの入学者だね。」
『慣れないなら別に様付けで呼ばないで良いよ。』と気遣ってくれる悠に『お気遣いありがとうございます』と答えるが芽は首を振り。
「今から慣れておかないと学園生活が慣れなくなります。」
「生真面目だね、芽ちゃんは。」
苦笑し『あたしの知っている人みたい。』と悠は小さく呟き、服を叩いて汚れを落とす。芽は呟きが聞こえなかったのか自身の服を叩いている。
最初のコメントを投稿しよう!