1年生編~第1話~入寮日と出会った人物

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 「一人で大丈夫だよね。」  「はい、もう眠くありませんから。」  『そりゃあ、凄い音をたててぶつかったんだから、眠くはないでしょう。』悠は笑い。  『うっ。』とまた顔赤くして芽は言葉に詰まる。  「さてと私はそろそろ行かないとね。人を待たせているから。ハンカチは今度返してくれれば良いから。」  『ごきげんよう。』と芽に次の言葉を告げないようにこの学園特有の挨拶をして早々と立ち去っていった。  暫らく悠が立ち去った方を芽は見ていたが、トードバッグを持つと体のを向きをかえて今度は事務所の扉を開けて事務所に入っていった。  「ふふ、面白い子を見つけたな。美緒達に教えよう。」  悠は事務所から立ち去り、薔薇の館に向かう途中立ち止まって芽がいる事務所の方を振り返ってそう呟いていた事を芽は知らない。
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