1年生編~第1話~入寮日と出会った人物

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 少女は緑ある景色を見ながらゆっくりと建物_リリアン女学園の敷内を歩いていた。  今現在の時刻は朝の8時過ぎ。通常なら生徒が通学している時間。  だが、人一人通らない。今の時間なら通学ラッシュで生徒が沢山いても良いはずなのに。  教師さえも通らない。まあ、生徒や教師がいないのもわかるが。  なぜなら今は春で学生には嬉しい少し長い休み。  そう、春休みだ。  学校を卒業した者には入学するまで少しだけ長い休み。  トードバッグを持った少女が春休みなのにリリアン女学園を訪れているには理由がある。  このリリアン女学園は数年ほど前から高等部から完全寮制となり、高等部に入学する者達は例え家が近くても寮に入らないといないのだ。  そして、察しがついた方もいるだろうが、トードバッグを抱えた少女_名前を 大沢 芽(おおざわ めい)。  少女_改め芽も今年、このリリアン女学園高等部の入学者の一人。  寮にの入るには期間が設けてあり、二回ほどに分けて行わられる。  最初は優先入学してきたリリアン女学園の中等部の者達で3月上旬位に行れる。2回目の時は3月中旬に外部入学者達を対象に行われる。芽は後者で今日が入寮最終日。  そして入学式まで後1週間。  すでに入学が決まった者は3月上旬位でほぼ入寮を終えている。外部入学でも3月中旬にはおわっているはずなのだ。リリアン高等部入学の者でも人が通らないのはその為。
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