ブリーフィング(作戦会議)

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 午前2時半。君山からの非常呼集でPID待機室に6人の捜査官が集まった。 「皆、事件よ。幸村巡査、説明を」  君山に促され警視庁捜査一課・PID連絡要員の千晶が捜査一課からFAXされてきた資料を手に説明を始めた。 「本日未明、中野区郊外の廃屋で4人の死体が発見されました。死因はいずれも頭部の銃創で、一人は自身の手で口蓋に向けて発砲していました」 「……ふん。クズ共が仲間割れしたんじゃないのか?」  浩一が被害者の身元が書かれた資料を見て冷淡に言った。 「オーバードーズ(薬物の過剰接種)によって引き起こされた突発的犯行の可能性は?」  今度は武が聞く。 「遺体から薬物反応はなく、薬物の包みや注射痕もありませんでした」 「ふむ…そうなるとPC(超能力犯罪)の可能性があるな」 「それで捜査一課はウィットネス(最終記憶閲覧能力者)である鬼鴬警部補にビジョンしていただき、その結果PCと判断されたら正式に事件の捜査権をPIDに移譲するそうです」 「でもよぉ仲間割れの可能性も否定できねぇんだろ。そもそもそんな能力ってあったか?」  一人ソファに座っていた竜司が千晶を見る。
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