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「ふにゃぁあ……」
あたしはすっかり茹でたこ状態になってしまい、ベランダの柵にもたれ掛かっています。夜風が気持ちええなぁー。
見下ろす夜景は、百万ドル程ではないですが、あたしを感動させるには充分な美しさでした。
「はい、メリー?」
ほっぺに何か冷たいものが当たりました。ひゃっ! と小さく声を上げて振り返ると凪沙がいてアイスをくわえていました。
「ご飯までアイス食べてて待っててね」
はっ?
あたしがアイス如きで釣られると思ってるのか!! ふん! 嫌いだ! こんな水を固めてそれに着色料つけて、化学成分で味つけた物なんて……む?
ハ、ハーゲンダッツだと!?
「わーい!! 凪沙愛してるwwwwwwwwwww」
「はいはい、ちょっと待っててね」
凪沙はあたしの頭をポンポン叩いてから、キッチンに向かいました。あたしは相変わらず柵にもたれてキラキラ光る夜景を見ながらハーゲンダッツを優雅に口に運びます。
ダッツうめぇwwwwwwwwwww
初めて凪沙の家に来た時からもう3ヶ月たちました。そんでもって……。
凪沙と一緒に居られるのは、後1ヶ月ちょい……。昨日神様から連絡がありました。
凪沙はもう大丈夫だから……って。
ちょうど夏休みが終わるころ、あたしは凪沙から離れなきゃです。あたしにとって夏はなんでこんな切ない季節になってしまうのでしょうかね。
口の中で溶けるダッツがなんか余計にひんやり感じます。
ああ、人間になりたいな。
そしたら凪沙にも普通に会えて、朔夜さんのことも単純に好きでいられたのにな……。
あたしゃベムかwwwwwwwww
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