凪沙とメリー ─short summer vacation─

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「ねぇ? 凪沙! この服なんてどうかなっ? かな?」 「うん、すごく可愛いよ?」 全国模試が終わり半日で下校だったから私はメリーを連れて今、街の方に買い物に来ている。 いやぁー今回の模試は会心の出来だったよ。清々しい気持ちで取り組むと全く違うね。 メリーはいわゆる普通の人間にも見えちゃうモードで、服屋の中をうろちょろしまくって片っ端から服を取ってみては私に感想を聞いてくる。 メリー可愛いな……。誰があれが幽霊だなんて思うだろう? 私と同年代くらいのちょっと頭のおかしい女子高生って感じ。 うーん。 前から思ってたんだけど、こうしてマジマジと見るとメリーって誰かに似ているっぽいんだよなぁ? 誰かなぁ? 伊吹風子? 赤井ほむら? 雛苺? いや、違うなぁ……。 「メリー。結局何かお目当てのものはあったの?(副音声:さっさと決めなさいよ、早く帰るわよ)」 見ているだけのもくたびれてきたので、メリーに声をかける。メリーは今にもとろけそうな恍惚の表情を浮かべている。 「いやぁwwwwwwwww決まんないのっさwwwwwwwwwシンプルで行くか、ゴスロリで行こうかなぁ的なwwwwwwwみたいなwwwwww(副音声:真オロチの出現条件考えたやつちょっとこい。100回殺す)」 なんという二極化……。 「なんでもいいじゃない? 2つとも買っちゃえば?(副音声:メリーがゴスロリとかねぇよwwwww)」 「いやぁー後ちょっと待っててくりwwwwwwwwwもう少し厳選するからwwwwwwwそしたらあたしが終わらせてやる、全部! 何もかもwwwwwwwww(副音声:コーエーwwwwwwwオロチのガラシャたんはもう少しなんとかならんかったのwwwww愛で運用するのも限界がありますwwwwwww」 さっきから副音声の意味が全くわからないんだけど。 とりあえずこの可愛いらしいメリーに免じて、私はもう少し待つことにした。
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