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「なぎぃー?」
自動ドアをくぐって、美弥と美優がやって来てしまった。美弥はどこか目をトローンとさせて、美優は一生懸命手を振っていた。2人とも夏らしいカジュアルで、可愛らしい服装だった。
しかしそんな事は今はどうでもいい訳です。私は商品棚の影にメリーを連れて隠れ込む。
(ちゃんと礼儀正しくね! メリーって言っちゃダメだからね!?)
私は2人が近づいてくる前に、メリーに念をおすため耳打ちをしておく。するとメリーは私を見て、親指を突き立てた。
(任しとけってwwwwwwwwwwちゃんと凪沙の面子守ってやるからさんwwwwwwwwwww)
不安過ぎるよ……。
「なぎぃー。元気してるかーい?」
「なぎぃー! ここにいたの?」
ゆるーい声とはっきりした声が二つ重なって私の背中に浴びせられた。
「や、やぁー美弥、美優! は、は早かったんだね」
少しビクっとなりながらも、私はなるべく平静を装いながら受け答えをするように頑張ってみる。
「うん。近かったからねー? 今日は昼から暇だから、なぎぃーに勉強でも教えてもらおうかなぁーなんて思ったり。おお、そこの可愛い人だーれ?」
相変わらずゆるいなぁ、美弥の喋り方……。
「お姉ちゃん、その人は凪沙の小学校時代からの友達の方だよ? ……すごい可愛いですね。は、初めましてみ、美作美優って言います! こ、こっちは姉の美弥です!」
美優がメリーに見とれてる。なぜ頬を赤らめる? まさかレズっ気があるのかこの子は。
確かにメリーは性格を知られなければ、普通に美少女だから無理もないけどね。
あくまでも……
その性格を知らなかった場合ですがね。
私は不安そうに美作姉妹の顔とメリーの顔を交互に見渡す。大丈夫かなぁ?
「やぁ、僕は富竹。フリーのカメラマンさ」
……。
本当に駄目だわ、こいつ。
元ネタがわからないけど、多分何かのアニメ?
「……えーとカ、カメラやってらっしゃるんですね。あの下の名前はなんて言うんですか?」
美優もまた、真に受けちゃったよ……。
メリーは唇に親指をあて、下を向いて少し考えた後元気よくこう言った。
「あたしの名前は、ハルヒwwwwww富竹ハルヒwwwwwwwwww」
これは流石に死んでよ……。
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