パトラッシュ……僕もう眠たくなって来ちゃったYO!!

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「そんな別れがあったんだ……本当なの?」 「ノンフィクションだよ」 私はメリーさんから聞いた朔夜と言う人との短い恋物語を聞き、ちょっぴり切なくなった。幽霊のくせに羨ましいな……。 「なんかドラマみたいな話だよね」 「実際に小説にしてみようと思ってるんだよね。題名は今流行ってるスイーツ(笑)小説に対抗して、「忍☆空」1200万部とかwwwwww楽勝wwwwwwwwwwwww出版業界に旋風を、バギクロスをばあたしがwwwwwwwww」 「絶対売れないよ……」 「釣れないなぁー君は。もしかしてヒンバス? そうだ。それより凪沙がなんで死にたいと思ってるの? 今度はそっちが教えてん」 私はそう聞かれ、たまらず視線を落とした。口にするのもなんか嫌だった。本当は他の人に話したくないけど、人じゃないからいいや。 「私、学校でイジメられてるの……それで学校に居場所なくて。というか行ってないんだけどさ。家は両親が二人とも仕事で海外に行ってて私が卒業するまで帰って来ない……つまり私独りぼっちなんだ」 「ほう……。学校にはいつから行ってないの?」 「高校二年生になってから行ってないよ。行っても、友達も守ってくれる先生も居ないし」 少しの間沈黙が流れた。私自身も話してて少し後悔しちゃったような気分。 しばらくしてメリーさんが急に思い立ったように立ち上がった。そして私の横にドカっと座る。 「決めた!! あたし凪沙をちゃんと高校に行けるようにしてあげる!! そんでいじめっ子たちにも落とし前つけさせてやんよwwwwwww」 「そんなこと……てか別に……」 「うるさいうるさい!! こっちは伊達に幽霊やってないんだから! 任しとけってwwwwwwww」 「これって野ぶたをプロ……」 「余計な事は言わなくていい! それよりまずはあたしが凪沙の友達一号だから」 そう言って笑うメリーさんの笑顔はテレビに映ってるアイドルの安っぽい笑顔なんかよりずっと綺麗で…(ガッキー程ではない) かくして私の決して忘れる事のできない高校生活最後の年が変なお化けと一緒に幕を開けた。
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