ハリーポッターと舛添大臣

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暖かくなって桜がちらほら見られる季節になった。今日から高校三年の一学期が始まる。多くの人がこれから始まる最後の年に、進路への不安や期待に胸を膨らませているかも知れない。 けど私にはそんな季節的ものは関係なく、ただ前と同じような苦痛を感じていた。学校に行けばまた辛い日々が……。そう思うと胸が張り裂けそうになった。 「メリー……。今日行かないと駄目……かな?」 私は朝食をとっているメリーに、制服のリボンをいじりながら弱音を吐いた。 「馬鹿! 初日に行かないとずるずる引きずってそのまま高校行かなくなっちゃうだろ!? そしたらお前確実にニートになっちゃうよ!? そしたらお前地球防衛軍に連行されてお前だけミドレン……」 そこで私はメリーの口をとっさに塞いだ。作者の悪質な意志を感じた。 「分かった…!! 私頑張ってみる!! メリーも学校来てくれる?」 私がそう言うと、メリーはジャムを塗った食パンをくわえながら笑って頷いた。 「うわぁたぁりふわぇだふぉ!!」 「何て言ってるか分かんないからパン食べちゃって」 「当たり前だよwwwwwあたしはあんた以外の人間に見えない仕組みになってるからさ!! 安心しな」 私はその台詞を聞いて、とっても強い味方が居るんだと安心した。 私はいよいよ玄関に向かい、久々の革靴に足を入れた。 いよいよ、私の負けられない戦いが幕を開けた。 ドアを開けると満天の青空が広がっていて、まるで私を祝福してくれているようだった。 しかしほんの五分後に天気がいきなり崩れ、大雨が降り出した。 幸先が不安すぎる……。
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