愛してるって最近言わなくなったのは若干殺意が芽生えてきたから

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「私は弱かった……」 振り下ろされたモップの柄を左手で力強く掴み、私はゆっくりと立ち上がった。 頬を生温い液体が流れ落ちるのを感じる。頭がガンガンして軽く立ち眩みがしてきたよ。でも倒れる訳にはいかない。 「は、離せ、離せよ!!」 私の態度の急変のせいか翔子はかなり慌ててる。モップを左右上下に振って私から引き離そうとするけど私は絶対に離さない。 「全部人のせいにしてた。あんたたちのせい……助けてくれなかったクラスメートのせい……教師のせい」 立ち上がった私は翔子にゆっくり歩み寄る。 「悲劇のヒロインを演じてた私は自分で固い殻作って、そして自分の首を絞めていた」 「何言ってるか意味わかんねぇんだよ!!」 後ずさりをするのは、今度は翔子の番だった。ゆっくり、ゆっくりと入り口に下がっていく。私はふらふらしながらも一歩、また一歩踏み出す。 「でも世の中あんたみたいな人間ばっかじゃない、私の殻をハンマーでガシガシやってくれる人もいるって分かったの!」 まぁ、メリーは人間じゃないけどね。すると、翔子は目を泳がせながらまたまた馬鹿丸出しの馬鹿笑いを始めた。 「あんたを助けてくれる奴なんていないのよ!!現に今まで誰も助けてくれなかったじゃない!? みんなあんたのことなんかどうでもいいのよ!! あはは!! 思い上がっちゃって馬鹿じゃない!? 頭おかしいんじゃないの!?」 「ギャーギャーうるさい!! 発情期ですかこのやろッー!!!」 私はモップを翔子にギリギリあてないようにおもっいきり振り下ろす。翔子の顔が一気に青ざめていく。私は手で顔の血を拭い、長年の宿敵を睨みつけた。
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