エピッピッピピピピピロロローグ

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「ふぇ? なんでハルヒないてるの? わかんない……うわぁああああん!!ママァ!!」 ハルヒはなんだかよく分からない理由で泣きわめきながら、私の腰へと飛びついてきた。 「ハルヒどうしていきなり泣いたりしたの? みんなびっくりしたじゃない」 泣きじゃくるハルヒに優しく語りかけると、ハルヒは私のお腹の辺りに顔を埋めたままくぐもった声でしゃくりあげながら言った。 「ヒッグ……ずっとむかしのことをおもいだしたの。ヒッグ……そこにはママがいて、ユッキーおじちゃんもいて、みやおねぇちゃんもみゆおねぇちゃんもしんいちおじちゃんもいてね? みんなでおおきなうみをみてたの。あかいいろをしたきれいなうみだったの。ハルヒはね、みんなといっしょにまたそのうみをみたいねっていったの。だからうれしかったの。でもハルヒにはよくわからないの……うわぁあああん!!」 そう言ってハルヒはまた声をあげて泣き始めた。 それはハルヒの虚言だったのか、それともメリーの不思議な力か、それともこの子がメリーの……。 どっちにしてもメリーは、 「まだ側にいるんだな、あいつは」 ユッキーはハルヒの頭を撫でながら小さく笑った。 「あいつも一緒に来てくれんのか。それは楽しくなりそうだな」 関谷くんもハルヒの頭を撫でて、遠い目をして呟いた。 「ハルヒさん……好きです」 相変わらずレズっ気の抜けてない美優は危ない台詞を呟きながら、関谷くんとユッキーの手の上に自分のそれを重ねた。いや、なんか美優にはハルヒに触って欲しくないような……。 「今度はゲーム、負けないぜぇー?」 美弥もまたそこに手を重ねた。 優しい風が吹き抜けた。メリーが居なくなった時に吹いたあの日のような風が。 喋れなくても、 触れられなくても、 大切な何かがここにある。 それだけで良かった。 酷く曖昧かも知れないけど、私たちにはそれで充分だ。 そうでしょ、メリー? 返答もないまま私たちはまたゆっくりと歩き出す。また新しい夏物語を紡ぐために。 あの日より素敵な物語を紡ぐために。
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