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4年くらい付き合った彼女と別れて1年が過ぎたころだった。
あいだに3人くらいの人間を挟んで『彼女、結婚するんだって』という話を伝え聞いた。
季節は秋で、風の中にときおり冷たく鋭い風が混じり始めていた。
そのときは思ったよりも冷静に受け止めたつもりだった。
けれども家に帰ると誰でもいいから話がしたくなって、携帯の電話帳をめくり、そこに彼女の名前がまだ残っていたのを発見した時点で僕の負けだった。
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