エピソード集

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「地獄に堕とされた天使」 天使の中でもっとも力を持った天使を「熾天使」という。 かつて、熾天使のなかでも、さらに熾天使長とも言うべき天使が一人いた。彼は天使中でもっとも神に近い存在である。 神が光であるように、彼もまた、光の天使であった。天使の名は「ルシフェル」…「光を運ぶ者」という意味だ ルシフェルは、神を除けば、このよで最も力を持った存在である。これが、のちにルシフェルの慢心を生む。 もし、神がいなければ、この世を支配できる、私が神になることが出来る。 ルシフェルはそう考えたのだ。 イザヤ書にはこうある 「かつて、お前は心に思った。『私は天に上り、天座の神の星よりも高く据え、神々の集う北のはての山に座し、雲の頂に登って、いと高き者のようになろう』と」 自分の価値観が絶対的な真理であると信じるルシフェルは天使としての使命を忘れ堕落した。神学では、堕落した天使を特別に堕天使とよぶ。 天使の名前はミカエルやガブリエルのように、神聖さを表す「エル」を末尾につけることが多い。 だが、堕天使には、それはそぐわない。そのため、堕天使としてのルシフェルをルシファーと呼ぶことがある。
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