プロローグ

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休み時間。 次の授業の用意をすませ机に顔を 押し当てて私は眠っていた。 「憐奈!!」 私を呼ぶ声にだるく起き上がると 机をはさんで17年見続けた顔。 「翠。何か用?」 ・・・眠い・・・・ 「今日先帰ってて」 ・・っかうちら高校生にもなって一緒に帰るのはおかしいでしょ。 「また呼び出し?」 「おう!モテますから♪」 翠に告白する人は多い。 だけど翠の返事は決まってNO。 私と翠が一緒に帰るのは 翠が放課後女の子に囲まれてしまうから。 いつも私を利用してそれをかわしてしまう翠。 私が利用なんてひどい言い方をしてしまうのは翠が好きだから。 一緒にいれるのは嬉しい。 だけど私は「女」として認識されていない。 それを思い知るたび、胸が痛い。 もうすぐ9月。 また今年もあの日がやってくる。 あの日に私たちは一生『幼馴染』が決定した。 翠と私は一生・・・友達。 翠の彼女が死んだあの日から・・・・。
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