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「ただいまぁ」
私の家にはまだ誰も帰っていない。
部屋へ行き制服を脱いで
ハンガーにかけると携帯がなった。
~♪♪♪
携帯をあけようとしたその時。
ピンポーン!
ガチャ。
?誰だろう。
チャイムとドアの音に慌てて
階段を降りていくと
「憐奈~?」
勝手に翠が玄関に入り座っていた。
ふー。
ため息一つ。
「翠。勝手に入らないでよ」
あきれたように言うと
「幼なじみじゃん!それに鍵開いてたし♪」
子供のように無邪気に翠は笑った。
「まぁいいけど・・・」
翠の笑顔にはかなわない。
「憐奈ぁ腹減った! 何か作って?」
17の男が甘えないでよ・・
だけど
翠は別。
「仕方ないなぁ。リビングで待ってて」
今、私嬉しさ顔に出てないよね?
顔が熱い。
「おー」
かってしったるお隣の家。
翠はスタスタとリビングのテレビの前に座った。
何作ろう?
翠の好きなもので
冷蔵庫に食材があって
すぐ作れるもの・・・
あっ! 親子丼作れそう♪
「翠。親子丼でいい?」
リビングに接するキッチンから話かける。
「うん!はやく作って」
子供のようにハシャグ翠。
小さい頃からこの笑顔だけはかわらない。
「///」
私は翠の好きなものはほとんど
作れるようになっていた。
二人とも両親は帰りが遅い。
高校生になった今では
別々の食事だが
昔はよく一緒に食べていた。
手際よく料理をしていると
待ちきれないのか翠が近くにやってきた。
「料理うまくなったね♪」
ニコニコ翠は笑っている。
「誰かさんのせいでね♪ほらできたよ」
「~♪うまそう」
翠はすぐにイスに座って
「いただきます」
とガツガツ食べ始めた。
・・・かわいいな。
男の人にかわいいなんておかしいかな。
でも翠は小さい頃から
私のでは変わらない。
他の同年代の子には
かっこいいと言われているけれど
私はかわいいと思う。
唯一。私と同じように翠を『かわいい』
そう思っていた女の子が雛。
雛はどこか抜けているが
お母さんのような
雰囲気を持つ女の子だった。
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