ホーリーナイト・ユニコーン

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「ねぇおばあちゃん、これなあに?」 「これはね、我が家にずっと昔からある、大切なものなんだよ。」 「へえ。きれいだね。」 「行ってきまーす。」 いつもの玄関。 奥から母の「行ってらっしゃーい」という声を聞いて、外に出る。 「うわっ、寒っ!」 コートを着てもなお染み込む冷気の中を、友達との待ち合わせ場所へと急ぐ。 町には、クリスマスのイルミネーションが光っていた。 「今年も結局、彼氏できなかったなぁ…」 何を隠そう、今日は12月24日。 クリスマス・イブ。 それなのに私ときたら、同じように寂しい友人達とファミレスで騒ぐという、限りなく悲しい一日を過ごしている…ずっと。 「はぁ…どこかにカッコいい人いないかな…」 なんて呟いてはみるものの、そんな都合のいい事…
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