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「お坊っちゃんはいいよなぁ~
何もしなくてもごほうびだもん」
ガイが憎まれ口をききました
確かにこの日一番はたらいたのはガイでした
だから黒い子ウサギは当然自分の物になると思ってました
「俺も大学の先生の子供になれば良かったよなぁ~」
「お母さんが美人なら良かったよなぁ~」
「大きな家に住んでれば良かったよなぁ~」
ガイの当て付けはなかなか止まりませんでした
ビルは子ウサギをガイに渡そうかと思いましたが、ゲーブルさんがせっかくくれた気持ちを思うとできませんでした。
「でも、本当はもらわれてきたくせに大きな顔してるよな」
「ガイっ!いいかげんにしろ!」
ゲーブルさんが怒鳴りました。
他の大人達も怒りました。
ガイは泣きべそをカキながら皆にあやまりました
ビルにもあやまりました。
でも、その言葉はまったくビルに届きませんでした。
『えっ、僕ってパパとママの子供じゃないの?』
頭の中は真っ白でした。
『僕は…僕は…誰の子?』
どこをどう帰ったのかわかりません。子ウサギをしっかり抱いて家に着きました。
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