第十章 連鎖

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「リム…泣いちゃダメだぞ?なにも空兄たちとずっと会えないわけじゃないんだから…」 「そうですよリムさん…屑桐さんと西条さんも戦いが終わったらアースリィホームに帰還すると言ってましたし、ほんの数日会えないだけですよ…」 ルーとヘンリーが必死に慰めた甲斐もあってか、リムは涙を流すことはなかった。 しかし、依然悲しそうな表情をしている事は変わりなかった。 「…お兄ちゃんと…今日会ったばっかりなのに…もっと…お話したかったのに…」 「大丈夫ですよ。屑桐さんもちゃんとリムさんのことも考えてたみたいです。 屑桐さんからお二人に伝言がありますよ」 「…本当…?」 「えぇ。 “アースリィホームに戻ったら、一緒に修行しよう。あと、リムとはたくさん話をしよう。絶対戻ってくるから”…だそうです」 ヘンリーがそう言った瞬間、リムの表情は輝いた。 そして、ルーですら長年見ることのできなかった表情をリムは作り出した。 「空兄…やっぱり空兄は凄いや…」 嬉しそうなリムを見て、ルーも自然と顔がほころんだ。 「リム、良かったな!」 「…うん…!!」 そう言ったリムは、遠い日に失ったはずの笑顔を浮かべていた。
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