22700人が本棚に入れています
本棚に追加
「リム…泣いちゃダメだぞ?なにも空兄たちとずっと会えないわけじゃないんだから…」
「そうですよリムさん…屑桐さんと西条さんも戦いが終わったらアースリィホームに帰還すると言ってましたし、ほんの数日会えないだけですよ…」
ルーとヘンリーが必死に慰めた甲斐もあってか、リムは涙を流すことはなかった。
しかし、依然悲しそうな表情をしている事は変わりなかった。
「…お兄ちゃんと…今日会ったばっかりなのに…もっと…お話したかったのに…」
「大丈夫ですよ。屑桐さんもちゃんとリムさんのことも考えてたみたいです。
屑桐さんからお二人に伝言がありますよ」
「…本当…?」
「えぇ。
“アースリィホームに戻ったら、一緒に修行しよう。あと、リムとはたくさん話をしよう。絶対戻ってくるから”…だそうです」
ヘンリーがそう言った瞬間、リムの表情は輝いた。
そして、ルーですら長年見ることのできなかった表情をリムは作り出した。
「空兄…やっぱり空兄は凄いや…」
嬉しそうなリムを見て、ルーも自然と顔がほころんだ。
「リム、良かったな!」
「…うん…!!」
そう言ったリムは、遠い日に失ったはずの笑顔を浮かべていた。
最初のコメントを投稿しよう!