第十一章 金色の鎧騎士

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ドイツのベルリンにある古都の街道を、金色の鎧は歩いていた。 空は既に暗く、月は雲に隠れているわけではなく、最初から無かった。 金色の鎧に、金色のガントレット、全て金で統一されたその姿は、反射する光もないのにまるでそれ自体が光源のように漆黒の空を照らしていた。 腰にぶら下げた一本の剣。 刀身を極限まで細く作り上げ、突きに特化させたレイピアは、その鎧が歩く度にその先端が上下に揺れ、鞘と鍔もとで金属のこすれる音が何度も鳴った。 鎧は雅とも言えるような姿でゆっくりと前に進んでいたが、その足取りは決して雅とは言えなかった。 まるで自分を餌に獲物をおびき寄せる狩人のような、殺気を辺りに必要以上に振りまいた歩き方だ。 鎧がそのまま足を進めていくと、目の前で突然紫色のローブを着た女性がローブを翻しながら現れた。 鎧はすぐに腰のレイピアに手をかけたが、その女性が自分が見知っている人だと気がついた瞬間、レイピアから手を離した。 『何のようだ…』 鎧が身につけた金色の甲の隙間から低いテノールの声がした。 紫色のローブを纏った女性は、静かにその鎧の騎士に近づいていき、目の前で足を止めるとそこで一礼をした。
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