第十一章 金色の鎧騎士

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『いえ…ただ、私も今回のこのノア纖滅戦に参加せよとのご命令ですので…』 紫色のローブを纏った女性は、口元だけ見えるほどしか顔を出していなかったものの、口の端をつり上げて笑っているという事を鎧の騎士に認識させた。 『ふん…風王といい…貴様といい…よほど我が快楽の邪魔をするのが好きらしいな…』 鎧の騎士はそう言うと腰のレイピアに手をかけた。 今にも鞘から抜かれようとしているレイピアは、おそらく目の前の女性が少し動いただけでもその特性を活かした突きが炸裂しそうなほど緊迫した雰囲気の元凶となっていた。 『アシュタロス…そう構えないで下さい。何も私はあなたの邪魔をしようと言うわけではありませんよ。 主からはこの地に迎えとまでしか命令されていません。』 そう聞いたアシュタロスと呼ばれた金色の鎧騎士は、理解したのかレイピアから手を離した。 『そうか…ならば分かっているだろうが、あの銃使いは私がこの手で葬る。 この地にはそいつくらいしか強者がいないからな…』 『銃使い…あぁ…私が雪林で交戦したあの…確かに戦場での判断力やその対応は素晴らしいものでしたが…あなたの敵ではないでしょう…』 『我の敵となりうるものなど…数える程度だ。 終焉の氷姫…そして雷帝…むなしい世界になったものだ…』
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