第十一章 金色の鎧騎士

4/10
前へ
/392ページ
次へ
アシュタロスはそう言うとローブを着た女性とすれ違い、あてもなく進もうとしていく。 『そう言えば…小耳に挟んだことですが…ホノルルの鍵が手に入ったそうです。 しかし、フォカロルは死亡、天陵の御霊が持ち帰ったそうですよ? これがどんな可能性を示しているか…あなたに分かりますか…?』 女性が振り向かずにそう言うと、アシュタロスの足が止まった。 『グシオン…やはり銃使いは貴様が始末しろ。 我は…より強き者と死合うことにしよう…!!』 アシュタロスはそう言うと、高らかに笑い声をあげて再び足を進めていった。 『ふっ…相変わらずですね…。まぁ私も、以前あの銃使いにはしつこく追われていましたから…このあたりで断ち切るのも一興…ですね』 グシオンは完全にアシュタロスが自分の視界から消えたときに、なぜだか楽しそうな口調でそう言った。 すると、アシュタロスが消えた方向とは逆方向から、時変者とはまた違った気配が二つほど感じられた。 『あら…客人ですか…。無粋なことで…』 グシオンは静かに二つの気配の方に向かっていった。 『…雑魚ですか…。 さぁ雷帝さん…早く来なければお仲間が次々と亡くなってしまいますよ…?』 そう言ったグシオンは、気配に向かって自身の持つ札を投げ飛ばした。
/392ページ

最初のコメントを投稿しよう!

22700人が本棚に入れています
本棚に追加