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アシュタロスはそう言うとローブを着た女性とすれ違い、あてもなく進もうとしていく。
『そう言えば…小耳に挟んだことですが…ホノルルの鍵が手に入ったそうです。
しかし、フォカロルは死亡、天陵の御霊が持ち帰ったそうですよ?
これがどんな可能性を示しているか…あなたに分かりますか…?』
女性が振り向かずにそう言うと、アシュタロスの足が止まった。
『グシオン…やはり銃使いは貴様が始末しろ。
我は…より強き者と死合うことにしよう…!!』
アシュタロスはそう言うと、高らかに笑い声をあげて再び足を進めていった。
『ふっ…相変わらずですね…。まぁ私も、以前あの銃使いにはしつこく追われていましたから…このあたりで断ち切るのも一興…ですね』
グシオンは完全にアシュタロスが自分の視界から消えたときに、なぜだか楽しそうな口調でそう言った。
すると、アシュタロスが消えた方向とは逆方向から、時変者とはまた違った気配が二つほど感じられた。
『あら…客人ですか…。無粋なことで…』
グシオンは静かに二つの気配の方に向かっていった。
『…雑魚ですか…。
さぁ雷帝さん…早く来なければお仲間が次々と亡くなってしまいますよ…?』
そう言ったグシオンは、気配に向かって自身の持つ札を投げ飛ばした。
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