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札は気配の方に飛んでいくと、数十メートル先の気配の元のノアに触れ、巨大な爆発を発生させた。
『フフ…しばらく戦っていませんでしたからね…。この方たちで肩慣らしといきましょうか…』
グシオンはそう呟くとまだ絶えない気配の源の方へ進んでいった。
アシュタロスは、行くあてもなく街道をさまよっていた。
まだ現実世界に介入していない状態の漆黒の空では、ノアを待たなければ戦闘になることはない。
それゆえに、アシュタロスは殺気を放出させ、いつでも敵に見つけられるように歩いていた。
すると、アシュタロスの前に人影が見えた。
一瞬アシュタロスは突然現れた人影に強者を見いだしたが、それはノアではなかった。
灰色の髪を揺らし、白いローブを着た少女。
その手には自身の身の丈ほどもある大きな鎌を持ち、全てを見下すような冷たい瞳を持った少女だった。
『レラジェ…貴様ほどのものがこんな場所に何のようだ?』
アシュタロスは立ち止まり、自分の胸ほどの身長しかないレラジェを見下ろしながら尋ねた。
『アシュタロス…あなたに一つ言っておくことがある…』
レラジェは一歩進み、鎌を自分の右に置くと、静かに口を開いた。
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