第十一章 金色の鎧騎士

5/10
前へ
/392ページ
次へ
札は気配の方に飛んでいくと、数十メートル先の気配の元のノアに触れ、巨大な爆発を発生させた。 『フフ…しばらく戦っていませんでしたからね…。この方たちで肩慣らしといきましょうか…』 グシオンはそう呟くとまだ絶えない気配の源の方へ進んでいった。 アシュタロスは、行くあてもなく街道をさまよっていた。 まだ現実世界に介入していない状態の漆黒の空では、ノアを待たなければ戦闘になることはない。 それゆえに、アシュタロスは殺気を放出させ、いつでも敵に見つけられるように歩いていた。 すると、アシュタロスの前に人影が見えた。 一瞬アシュタロスは突然現れた人影に強者を見いだしたが、それはノアではなかった。 灰色の髪を揺らし、白いローブを着た少女。 その手には自身の身の丈ほどもある大きな鎌を持ち、全てを見下すような冷たい瞳を持った少女だった。 『レラジェ…貴様ほどのものがこんな場所に何のようだ?』 アシュタロスは立ち止まり、自分の胸ほどの身長しかないレラジェを見下ろしながら尋ねた。 『アシュタロス…あなたに一つ言っておくことがある…』 レラジェは一歩進み、鎌を自分の右に置くと、静かに口を開いた。
/392ページ

最初のコメントを投稿しよう!

22700人が本棚に入れています
本棚に追加