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「ッ!!」
空は突然目を見開き、寄りかかっていた背もたれから背中を離して、ようやく今見た光景が夢だったということを理解した。
「ハァ…夢か…」
空は荒れた呼吸を整え、もう一度背もたれに寄りかかった。
体は汗をかいていて、前髪も額に張り付いている。
窓の外を見てみると先ほどとは違い、日の光が入ってきていた。
(何だったんだ?あの夢…。レインと…誰だっけ…?)
空は夢の内容を思い出そうとしたが、すでに記憶は薄れ始めていて、大まかな事しか思い出せなかった。
(でも…レインの夢を見るのは久しぶりだな…。
それに…あの女の人…死んだのか…?)
空は夢で見た赤髪の少女を思い浮かべた。
こちらも顔や姿はぼんやりとしていたが、酷い傷を負っていたことは思い出せた。
しかし、そこまで思い出すと、以前のような頭痛が空に襲いかかった。
発源の力を得る前のストロスとの遭遇の時までとはいかないが、思わず歯を食いしばってしまうほどの痛み。
(頭が痛むってことは…あれはレインの記憶なのか…?
だとしたら…何で今…)
しばらくすると頭痛は収まり、汗も引いていった。
ただ疑問だけが胸の内に残り、空は頭を掻いた。
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