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「それで…今度はどういった戦況なんだ?」
空は到着間近だという事で現状を確認することが大切だと思い、その話題を由真に持ちかけた。
「そうね…言いたくはないけど負け戦であることは間違いないわ…」
由真はさもそれが当然のことのように、あくまで紅蓮の鉄甲のノアとしての意見を口に出した。
「負け戦って…どういうことだよ?」
「簡単よ…。勝てる見込みが限りなくゼロに近いってこと。
ノアは基本時変者よりも戦闘力は強いわ。でも、それはあくまでも1対1での話。
どんなに強いノアでも集団の敵にはかなわないわ。さらにそこにジェネラルクラスがいたなら…余計に勝てる見込みがなくなるってわけ」
かつての雷帝ですら百を越える時変者に何とか勝てたくらいである。
ただでさえ数の少ないノアにとっては、今回のような戦いはジリ貧になる例のようなものだった。
「だけど…諦めないで頑張れば…」
「その結果生き残ったのは一人だけでしたなんて結果になったらどうするの?
悔しいけど、犠牲を最小限にするために自分のプライドを捨てることも私たちには必要なことなのよ」
空は少し考えてしまう。
確かに由真の言い分は正しい。死なずにすんだはずの人が死んでしまう事態を引き起こすのを防ぐことは大切だと思うが、その裏では運悪く死んでしまう人も必ずいるのだ。
どちらが正しいなどと判断できないもどかしさが、心の中で何度も浮き沈みを繰り返していた。
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