第十二章 救援

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「責任か…。いろいろ考えることがありすぎるな…」 考えてもコレといった答えの出ることのない自問自答ほど苦しいものはなかった。 そもそも、答えなど無いのかもしれない。次第に空はそう思うようになっていた。 「まぁ…正直言うと、こういうときはオルスカの指示に従うべきよ。 オルスカなら最小限の被害で済む道を教えてくれる。それに疑問や意見を持つときも少なくないけど……う~ん…やっぱりうまく説明できないわ…」 うまく空にこの理を感じてもらうために説明していた由真だったが、ついにここで分からなくなってしまった。 由真もまた空と同じく何が正しいかなんて分からないでいたのだ。 「いいよ…。これから一緒に考えていこう?答えは出ないかもしれないけど…ちゃんと責任を背負っていこう」 「そうね…。そして、あんたの夢の平和な世界の中で生きる人のために戦って行きましょう?」 二人は新たな決意を胸に秘めて、それを公言することでさらに固い決意へと変えた。 その決意を乗せた飛行機は、降下を続けていき、やがてドイツの領空内に侵入を完了した。
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