第十二章 救援

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「空、もうすぐ着くから準備してなさい?」 ドイツの領空内に入った瞬間に、空気が重くなったのを二人は感じた。 それはこの地での戦いの辛さを物語っているかのような悪寒にも似た感覚だった。 「だいぶ酷いみたいだな…」 「あら…分かるの?戦闘以外でも結構成長してるみたいね…」 「そうだと良いけど…」 空はそう言うと外に目を向けた。 外にはいつもと変わらない青空と雲があり、美しいと解釈しても問題ないほどの自然が広がっていたが、その空間が纏っている空気がどこか違っていた。 「さっきも言ったけど、今回は負け戦になる可能性が十分にあるわ。 その理由には、だいたいジェネラルクラスの時変者が関わってる。 あんたが二体、紗希が一体倒してるから、残りは四体。レラジェの線は薄いと見て、考えられるのは、あの大男か、ネクロマンサー、それか、まだ会ってないジェネラルクラスね…」 「どうなっても俺たちが不利なことには違いないんだな…。しかも、一体だけとは限らないし…」 「そうね…。相当の覚悟が必要だわ。 最低でも最悪の事態だけは招かないようにしないと…」
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