第十二章 救援

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最悪の事態、それはノアが全滅し、鍵も奪われてしまうことを意味する。 そのこと自体は空はすぐに分かった。それと同時に、由真が言ったそれを避けなければならないという言葉で、由真の中では今からどう行動すべきなのかが固まってきていることに気が付いた。 「俺…今回は由真の言う通りに動くよ。そう思って行動した方が戦いに集中できそうだし…」 由真の意見に便乗することが果たして正しいことなのか空には分からなかったが、あれこれ悩んだあげくに戦闘中取り返しのつかないミスをするよりは何倍もましだと考えた。 「…まぁ…今回だけよ?私自身あんたのやりたいようにさせるつもりだったけど…あんたにも何か考えがあるみたいだしね」 由真は快くは思ってはいなかったが、何とか了承した。 「全く…男子が女子の後ろを着いて行くなんてねあんまりかっこ良くはないんじゃない? 私だったら引っ張ってって欲しいかもね…」 「あはは…頑張ってみるよ…」 空はこの先由真を引っ張っていけるか不安が募るばかりだったが、引っ張って行った途中での障害は排除するという決意は以前からあった。 まだ力不足だが、由真を守る。 まだ公言していなかったが、いつの間にか心の中で完成していた思いだった。
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