第十二章 救援

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それからまもなく、空と由真を乗せた飛行機は旧西ベルリンに位置するベルリン・テーゲル国際空港に臨時に着陸をした。 一般人が見つめる中降り立った漆黒の機体に白のルーン文字が書いてある飛行機は、徐々に減速していきやがて静止した。 「着いたみたいね…さっさと行くわよ?」 「行くって…空港内をか?」 荷物を抱えて機内を移動し始めた由真の後ろについて行きながら、空は尋ねた。 「そうだけど…何か問題でもあるの?」 「いや…なるべく人目に付かないように行くべき立ったりしないのかな…と思って…」 「別に。私たちはこっちの世界では人間と変わりないもの…こそこそ移動する方が返って怪しまれるわよ」 由真はそう言ってさらに足を進めて行く。 言われてみればと空も納得し、歩みを早めた由真に置いて行かれないように同じく歩みを早めた。 急に着陸した機体からでてきたからか、空港内では乗客を一目見ようと混雑していた。 しかし、空と由真の姿を見て、有名人でないと理解すると、興味を失ったかのように散り散りになっていった。 「ほらね?堂々としてる方がいいのよ…」 「あはは…確かに…」 空港を無事に通り抜け、空たちは出入り口から空港の外に出た。
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