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「そう…だったらその方針に従うわ。それで?私たちは何をすればいいの?」
《そうだな…まず、空港からドイツ支部に向かってくれ。
そこにセシルがいるから合流してくれ。
セシルに大まかな内容は話をしている。セシルの指示に従って行動してもらいたい》
「セシルの指示…あまり気が進まないわね…」
《そう言うな…。では、くれぐれも気をつけて行ってくれ。空にも伝えていてほしい》
「えぇ…分かったわ。それじゃあ…」
由真は必要最低限の情報と予定を聞き、通信を切った。
「…ふぅ…鍵の警護を終えて、ノアの退却を最優先だそうよ…」
「…そうか…」
空も由真の表情から薄々感じていたのか、少し残念そうに顔を下げただけで、怒り出したりはしなかった。
「私も従うことにしたわ。実際一番被害の少ないのがこれなわけだしね…。
それで?あんたはどうするの…?」
由真は心配そうに空に尋ねた。
しかし、由真が思っていたよりも空の様子は酷くはなかった。
それどころか、どこか吹っ切れたような、そんな感覚を覚えるほどに空の顔はしっかりと前を向いていた。
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