第十二章 救援

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『爆符…!!』 紫色のローブを身に纏い、フードを深くまでかぶっているグシオンは、漆黒の空の下、二人のノアと戦っていた。 その二人のノアは、熟練者を連想させるような動きで、ギリギリの位置でグシオンの呪符を避け続けていた。 『…私も腕が落ちましたね…爆符だけじゃ無理みたいです』 攻撃を避け続けるノアを見て、これでは長期戦になってしまうと見たグシオンは、懐から四枚の札を取り出し、再び二人のノアに向けて放った。 ノアも再び札を避けたが、今回の札は効力が違った。 『…捕縛…!!』 グシオンの声とともに、札は紫色の光を放ち、無数の触手のようなものが二人のノアに絡みついた。 ノアは脱出を試みたが、動けば動くほど札から現れた触手が体に絡まり、余計に身動きがとれなくなってしまった。 『これで終わりですね…』 捕縛を終えたグシオンは、静かに二人のノアに近付いていくと、両手のひらから紫色と緑色の入り混じったような色をした千本針のようなものを作り出した。
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