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完全に水の膜を纏わせ終わった二人は、精神を集中させた。
「…位置はつかめたか?」
「はい、おおよそは…」
屋上へ繋がる扉の前で、二人は最後の確認を終えた。
「なら行くぞ。遅れるな」
「はい!」
そして二人は、扉を蹴り破り、屋上に出た。
屋上では、アシッドレインが絶えず降り注いでいて、植木鉢に植えられていた植物もすでに枯れてしまっていた。
すでに足に力を溜めていた二人は、余計な行動を取ることなく、そのままグシオンがいるであろう方向に向かって飛び上がった。
上昇時の風に揺らされ、水の膜が絶えず形状を変え続けたが、セシルたちは気にとめることなく上を目指した。
アシッドレインに視界を奪われ、もはや数メートル先も見えない状態の中、セシルは二丁拳銃の銃口からウォーターカッターを作り出し、レンはハルバードの穂先に発源の力を集中させた。
そして数秒後、セシルたちはアシッドレインを降らせている一枚の膜を突破した。
その先には予想通りグシオンがいて、下からいきなり出てきたセシルとレンに驚いていた。
これを好機と見た二人は、自らの武器でできる最高の攻撃を、力を惜しむことなくグシオンにお見舞いした。
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