守編①

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「さてと、そろそろクラスに行きますか」  翔から逃げて10分後。  守の体力は回復し、お腹も満たされた。  実は朝ご飯(いなり寿司)を食べていたのだ。  そろそろ鐘がなってしまう。 (いきなりの遅刻は、さすがにマズイか……) ・ ・ ・  クラスに入ると、ほとんどの生徒が既に席についていた。  特に変わったところもない、普通の雰囲気のクラスだ。 (えーと、席は……あそこか)  窓際から3列目の一番後ろだ。 (隣は遅刻か? ……まあ、どうでもいいか)  席につくと、去年一緒のクラスだった友達Cが話しかけてくる。 「おい、遅刻ギリギリかよ。相変わらずだなあ」 「そっちのアホ面もな」 「言ったな!」  そんなやりとりをしていると鐘がなった。 「はい。じゃあ席について」  中年くらいの男の先生だ。 (……つまらないな)  2年生は中ダルミがなんじゃかんじゃと、どうでもいい話をする中年担任。  守がそれを右から左に流していると、  バンッ!!! 「おっくれた~!!! でも、ギリ間に合った~」  場の空気を一切無視して一人の女の子が飛込んできた。  ……ドアを蹴り倒して。 「あっ、先生おはようございます。2年D組21番杉谷操(スギタニミサオ)、只今到着しましたー」  女の子はニコ、っと挨拶をした。
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