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所々はねているショートヘアで、背は低め。ボーイッシュな感じだ。顔には理由のない自信が満ちている。
(……へんな人)
守の第一印象だ。
やがて先生も我にかえった。
「……杉谷君。新学期早々遅刻とは、感心しませんなあ」
「え~、あたし遅刻してませんよ」
「いや、鐘がなってましたし」
「いや、遅刻じゃないんですよ」
かなり不毛なやりとりをしている。
(まさか、こいつが隣か?)
と危惧しながら、守はやりとりを見ていた。
そのうち段々腹がたってきたらしい。
「大体、あたしの前に入った人はどうなんですか!? ほらっ、そこの!」
と、操は声を荒げて守を指差す。
「あいつが大丈夫なら、あたしだっていいじゃないですか!」
もはや無茶苦茶だ。
とばっちりをくらった守。
何人かがチラチラと守の方を見ている。
「あぁ、はいはい。もういいから席について」
先生も面倒と判断し、折れた。
操は不機嫌のまま、渋々席に戻る。
途中操は、チラっと守を見てから席についた。
……守の隣の。
(……なんで、私の周りには変な女子ばかり……)
さっきのクラスメイトの視線で疲れていた守は、さらに頭を抱えるのだった。
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昼休み。
あの友達Cは何処かに行ってしまっていた。
(今日は一人か……)
そんな事を考えていた時だった。
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