守編①

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「ねえ、長瀬君。今一人?」  守がふと見ると、隣に操が立っていた。 「まあ、一人ですが」 「じゃ、一緒にお昼食べよ!」 「……なぜ?」  守は単純に疑問に思った。  あれから、なんとなく気まずい雰囲気になってたからだ。 「いっいや、あのさ。ほらっ、朝は指差して悪かったなあって」  それとご飯を一緒に食べるとに、なんの関係があるのか?  守はまた疑問に思った。 「……まあ、いいですよ」  しかしそれほど悪い話でもないので、守は承諾することにした。 「良かった。じゃあ屋上行こ!」  なぜか嬉しそうな操とは対照的に、守はよく分からないまま、お昼を一緒にする事になったのだった。 ・ ・ ・  新学期だからか、屋上は珍しく無人だった。  常連すら見当たらない。 「あははっ、守君面白いね」 「いえ、操さんが笑いすぎなのでは?」  守と操は2人っきりだった。  最初はぎこちなかったが徐々に打ち解け、話もできるようになってきた。  そして、いつしか互いに名前で呼び合うほどになっていた。 「へぇー、守君彼女いないんだ。ホストみたいなのに」 「ホストは余計です。生憎、私のそばにいるのは変人ばかりでしてね」 「あっ、ひどーい。あたしは普通ですよ~だ」 「いや、朝のあの事を考えれば……」 「うぐっ! ……あっ、あれは、先生が悪いんだよ」  操はよく笑い、それにつられてか、守もいつも以上に笑顔だった。  そうして、2人は昼休みが終わるまで話し込んでいた。 (こういう事も悪くないですね……)  守はいつしかそう考えていた。 ・ ・ ・  やがて昼休みも終わり、2人でクラスに戻ると、何人かが寄ってきた。
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