守編①

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「ねえねえ、長瀬君。杉谷さんと、何してたの?」 「……長瀬。ぬけがけは許さんぞ?」 「2人は付き合ってるの?」  などと、口々に質問してくる。興味津々だ。 「だから違うって!!!」 「嘘おっしゃい! さあ、さっさと言っちゃいなさい」 「長瀬君とどこまでいったの?」  操も向こうで女子達に質問攻めにあっている。 (たった1回でこれとは……)  守は再び頭を抱えた。  その時、 「そうじゃないって! 別に守君のことなんか、好きでもなんでもないんだから!!!」  操の声が響いた。 「おい長瀬。今の聞いてどうよ?」 「……別に。私もなにも思ってませんから」 「!」 「「「なぁ~んだ」」」  とりあえず2人は解放された。  しかし、操の表情はほんの少し曇っており、 「あははっ、……そう、だよね」  と、口が動いた。 (! 違う、違うんです!!! 私は……)  守はあわてて喉まできた言葉を飲み込んだ。 「? どしたの守君?」  操は不思議そうな顔をしていた。 「いえ、……なんでもありません」  守は心に現れた感情を理解した。 (そうか、私はもしかして……いや、確実に、か……)  こうして、守の生活が始まる。
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