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「ねえねえ、長瀬君。杉谷さんと、何してたの?」
「……長瀬。ぬけがけは許さんぞ?」
「2人は付き合ってるの?」
などと、口々に質問してくる。興味津々だ。
「だから違うって!!!」
「嘘おっしゃい! さあ、さっさと言っちゃいなさい」
「長瀬君とどこまでいったの?」
操も向こうで女子達に質問攻めにあっている。
(たった1回でこれとは……)
守は再び頭を抱えた。
その時、
「そうじゃないって! 別に守君のことなんか、好きでもなんでもないんだから!!!」
操の声が響いた。
「おい長瀬。今の聞いてどうよ?」
「……別に。私もなにも思ってませんから」
「!」
「「「なぁ~んだ」」」
とりあえず2人は解放された。
しかし、操の表情はほんの少し曇っており、
「あははっ、……そう、だよね」
と、口が動いた。
(! 違う、違うんです!!! 私は……)
守はあわてて喉まできた言葉を飲み込んだ。
「? どしたの守君?」
操は不思議そうな顔をしていた。
「いえ、……なんでもありません」
守は心に現れた感情を理解した。
(そうか、私はもしかして……いや、確実に、か……)
こうして、守の生活が始まる。
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