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「あ、ごめんね。いきなり過ぎだったよね」
私の中で何かが叫んでいる。本当に、断ってしまって良いの?
「行きますっ!」
気付いた時にはもう叫んでいた。
リョウタさんは驚いた顔をしている。
「行きます、連れて行って下さい!」
もう一度、はっきり彼の瞳を見て自分の意思を伝える。
しばらくの沈黙の後、彼は吹き出した。
ひとしきり笑った後、呆気にとられている私に謝る。
「ごめんね、まさか叫ばれると思ってなかったからさ」
周りを見ると、バスを待つ人やコンビニに立ち寄ったお客さんから視線を浴びていた。恥ずかしい…赤面してしまう。
「ありがとう。じゃあちょっと待っててね」
リョウタさんはそう言ってコンビニの中に入って行った。
私はフェンスに寄り掛かって赤面した頬をペットボトルで冷やす。
はぁ、ヒヤッとして気持ちいい…。
しばらくすると、リョウタさんがコンビニの袋を下げて戻ってきた。
「ごめんね、お待たせ」
ニコッと笑う彼に「お帰りなさい」と言うともっと微笑ってくれる。
「助手席へどうぞ」
リョウタさんに促され、車に乗る。
「狭くてごめんね~」
シートベルトを締めながら言う彼。
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