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「ありがとう。難しく考えなくていいよ。ユリちゃんの率直な意見を聞かせて」
そう言い、リョウタさんはレストランのドアを開けて「どうぞ」と。今まで、そんな扱いを受けたことがなかったのでちょっと頬が熱くなる。でも、1人の『女性』として扱われたようで嬉しかった。
「いらっしゃいませ」
中に入ると、50代くらいの女性が迎えてくれる。
「こんばんは、情報誌『サクラ』の取材に参りました、三浦です」
リョウタさんは女性に名刺を渡し、女性はニッコリと笑って「お聞きしております」と。
女性が私を見たのを確認し「アシスタントの松村です」と紹介してくれた。
「よろしくお願いします」
頭を下げる。
「可愛らしいアシスタントさんですね」
女性に言われて、照れながらも会釈をした。
「まず、外観を撮影させて下さい」
そう断りを入れ、許可を貰ってから一度車に戻り、カメラを持ってくる。
私は写らないようにリョウタさんの数歩後ろに立っている。
カメラはなんて言うんだろう、一眼レフって名前だっけ、と考えているとリョウタさんに呼ばれた。
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