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「見て」
カメラに今撮った写真の画像が写る。デジカメみたい。よく見てみる。
「わぁ、素敵!」
可愛らしいレストランが、その雰囲気そのままに画像となっている。
「さすがプロですね」
思った事をそのまま口に出すとリョウタさんはちょっと得意げに笑った。
「まぁ、伊達に取材してる訳じゃないからね。でもそう言って貰えると嬉しいよ」
彼の笑顔を見て、私も嬉しくなる。仕事をしてる真剣な表情も良いけど、やっぱりリョウタさんの笑顔が一番好きだ。
ドアの手前でも写真を撮り、1人で中に入ってまた撮ったようだ。ドアを開けてくれるのを待ってから中に入る。
先程の女性と、シェフ姿の男性が出迎えてくれた。
「本日はよろしくお願いします」
リョウタさんが男性に頭を下げるのを見て、私もそれに倣う。
「こちらこそよろしくお願いします」
男性が頭を下げ、リョウタさんは2人に並んでもらってからまた写真を撮る。
男性は厨房へ戻り、女性とリョウタさんがテーブルを挟んで向かい合って座り、私は彼の横の席に腰を下ろした。
「このレストランはね、ご夫婦2人で経営なさってるんだよ」
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