43人が本棚に入れています
本棚に追加
『はい。リョウタさんからの連絡も待ってます。おやすみなさい』
またちょっとだけ勇気を出して、冗談っぽく連絡をくれるようメールに書いて送信。
ベッドに入ったけどドキドキが治まらなくてなかなか寝付けなかった。今度はどんな事を話そうとか、今日の彼の笑顔を思い出したりして、何度も寝返りをうってしまう。
「ねぇ、何か今日は元気だね~」
翌日の昼休み、親友のミカに言われてちょっと驚いた。
「そう?」
きょとんとそう返すと、一緒にお弁当を食べていた友達2人も「うんうん」とうなずく。
正直驚いた。普通に生活しているつもりだったから。
「いつもは昼休みには疲れた顔してるのに」
「そうそう、それにやたら携帯気にしてるよね」
友達が口々に指摘してくる。う、結構見てるんだなぁ…。
「なになに、何があったの?」
ミカが面白そうに訊いてくる。
「もしかして、恋?」
きゃーと盛り上がるみんな。…そんな、恋なんて。
「違います~。残念でした。中等部時代の友達がメールくれるっていうから待ってるの」
嘘をついてしまう。
この気持ちは、まだ恋なんて呼べる物じゃない。ただ、まだひっそりと心の中で暖めていたかった。
最初のコメントを投稿しよう!