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会場に入るとチケットを見ながら前に居る彩音の後ろをついていった
沢山の階段を降りる
私は階段を降りながらまだ幕がかかっているステージをぼんやり眺めていた
あそこに二人が居るのか…と思い…少し目を細めた
届かない…雲の上の存在。私はバカだ…
何故芸能人に恋をしたんだろう?
ちょっと感傷に浸っていたら彩音が私の肩を叩く
「綺羅?もうすぐ席に着くけど…何ボーッてしているの?」
私を不思議そうに眺める彩音に笑顔で何でもない、と伝えて立ち止まっていた足を進めた
足を進めるにつれてステージが近くなる
そして、彩音の足が止まった。
「席、此処だよ!!」
私は席表を見て、チケットに記されている席を見て確認した
そして…前を見た
『うわぁ…』
思わず零れた言葉
目の前は近すぎるステージ間違いない自分の席
夢を見ている様だった…
「真ん中だし最高!!なんか今年一年分の運を使い果たしたみたい!!」
彩音は一人興奮してきゃーきゃー騒いでいる
私は…吸い込まれる様にステージを眺めていた
「綺羅!!もう少しで始まるよ!!」
彩音にそう言われて私は我に戻り、ライヴへの態勢になった
『すっごい楽しみだね!!』
「うん!!楽しもうね!!」
私たちが笑顔を交わした瞬間…
照明が落とされた
騒ぎだす会場ーーーーーー…
早くなる鼓動ーーーーーー…
そして…
「Merry Christmas!!」
青の透き通った声が会場内に響き渡った
その瞬間にライヴに仕掛けられた花火がドォォン!!って鳴って
ステージの幕が上がった
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