229人が本棚に入れています
本棚に追加
青の一言で一斉に会場が黄色い声で包まれた
会場が熱気に溢れ音楽が。ギターが響いた
此処だけが別世界の様に
時間が止まっている様に
輝いていた……
私の目の前には雪が居て
ギターを弾いていた
気のせいかもしれないけれど
時折…目が合えば…雪は目を逸らした
その繰り返しだった…
時間はあっという間で
もうラストに近かった…
「今宵は雪が降っていて…ホワイトクリスマスだね」
青がそう言うと外に待機しているのかドームの外の景色を映し出し…スクリーンに映った
スクリーンに青いライトを当てる
すると会場から大きな歓声が響いた
『blue snow…』
私は一言…そう呟く
まさに青い雪だ…
そしてカメラは夜空を映し出した
夜空は雪が降り注いで
月が美しく輝いていた
『月と雪の似合う聖なる夜に…愛を込めて』
青が俯きながら静かに静かに美しい言葉を発する
そして青が顔を上げると雪がマイクに近づいて
今日初めて口を開いた…
「貴方達に贈りたいと思います…sacred moon」
そう、少ない言葉を
優しい様で少し冷たい口調で喋った
そうすると雪がギターを弾き出してイントロが始まる
sacred moon…私が一番好きな曲
綺麗なメロディーだけど…歌詞が少し切ない曲
青の透き通った綺麗な声が会場を包む
「この曲…雪が作詞したんだよ」
横から彩音が小さな声がして話し掛けてきた
「歌詞…切ないよね…雪の恋愛模様みたい」
彩音の一言で私は静かに真っすぐ雪を見つめた
.
最初のコメントを投稿しよう!