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「おっ、皆そろってるね!」
校庭からの夕日が差し込む生徒会室のドアを、ガラリと勢いよく開けて入ってきたのは、生徒会長・早瀬透。
学園きっての問題児にも関わらず、その持ち前の悪運もとい強運と高い魔力で生徒会長になった、ご存じ我らが主人公である。
全校集会から約十日は経過したが、使える魔法が見習いクラスなのはもちろん変わらず。
「なーにが偉そうに『皆そろってるね』だよ。お前が遅刻しただけだろ?」
呑気に笑いながら席につく透に向かって毒を吐くのは、会計・有馬恭平。
透の小さい頃からの親友であり、悪ダチでもある。
「生徒会長が補習はカッコつかないよ?」
恭平に続くは、同じく会計・宮坂桃太郎。
この学園で透が初めて友達になった男子であり、実は恭平のご近所さんだというから、世界は狭い。
「なッ…!俺、補習だなんて一言も言ってな……?」
桃太郎の一言に慌てて反論しようとした透だったが、目の前にカバンにしまっておいたハズの補習プリントが浮いている事に、思わず口が開いたままになってしまう。
「このプリントはどう見ても補習用だけどね☆」
プリントを浮かせた張本人、書記の鈴地亜梨沙はニッコリ笑うと浮いたプリントをペタリと黒板に張りつけた。
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