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もはや毎度お馴染みとなった光景に、恭平他二人は苦笑いをする。
「…ったく、相変わらず噛み合わねー奴らだなぁ。」
恭平は、いつになったら噛み合うのやら、と肩をすくめてため息をついた。
「まぁ、喧嘩する程何とやらって言う位だし、いざってときは案外お互いに協力するのかもよ?」
そんな恭平の独り言に、桃太郎は特に心配する様子もなく、軽く背伸びをしながら答える。
「そうそう。それに青葉が素直に負けを認めるなんてあたしも初めて見たし、その認めた相手が透君なんだもん。青葉も意地はってるだけで、その内うまくいくわよ。」
桃太郎の言葉に続くように、亜梨沙は先程黒板に貼った透の補習プリントを、これまた器用に魔法を使ってはがしながら喋る。
桃太郎はそのプリントをパッと掴むと、いまだ口論中の透の前にそっと置いた。
「……ま、勉強だけが全てじゃないし、な。」
恭平は、斜め前に置かれた英語の補習プリントを横目で見ながら小さい声でぼやくと、よっこらせと立ち上がる。
そして白熱した口論を繰り広げている透の背後に立つと、素早く呪文を唱えて透に電撃を食らわせた。
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