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  2007年11月30日 ピッピッピッピッ…いつもと違う風景。辺りは真っ白の壁で、機械音が聞こえる。消毒液のような鼻を通る匂いもした。 「どこだ…ここ…」 体を起こそうとして、胸に痛みを感じた。 「っ!!!…いって」 思い出した。学校から帰る途中で、胸が痛くなって意識がなくなって…運ばれたのか、な? 動きたくても体が動かなくて、変な感じ。 俺は頭の中でクエスチョンを並べながら、辺りを見渡していた。 ガチャッ 音がした方を見ると、母さんがタオルを持って入ってきた。俺の方を見て目が合うと、驚き、タオルを床に落とした。 「ゆっ…幸希!!!!いっ今先生呼んでくるから!!!!」 そう言って、慌ててまた部屋から出ていった。 その後、母さんが呼んできた医師の人がきて、検査をしたり、質問をされた。俺には説明もなく進めていくから、詳しくはわからないけど、聞かなくてもなんとなく伝わっていた。 部屋に戻ってきた母さんは、泣いていたんだ。    
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