彼(英輔)と彼女(菜緒)

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ピッ・ピッ・ピッ・ 肌寒い朝に目覚まし時計が鳴り響く… 布団の中からゆっくりと出てくる左手… 見つからない時計… 寝癖のついた髪で起き出した男は、休日だというのにため息をつく… 彼が英輔、18歳。 ガソリンスタンド店長に半年で襲名され、会社に期待されて営業部に異動したが全く成績の挙がらない駄目駄目営業マン。 毎日上司に怒鳴られて、既に三ヶ月が過ぎていた。 英輔は朝が嫌いだ。 いや、実際は営業と言う仕事が嫌いなのだ。 寝ぼけながらコーヒーを入れ、こたつに入り、テレビを点ける。 天気予報が流れ出し、今日の予想は雪。 しかし英輔には届かない…こたつの中で寝ていた。 目が覚めたのは午後四時。 「腹減った…。」 英輔はシャワーを浴びて、コンビニへ出掛けた。 まだ雪は降っていない、寒い夕闇の中を…
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