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「おはよ~」
やる気のない大輝の声がした。必死であくびを噛み殺そうとしている。
珍しいな、夜更かしでもしたのか?
「昨日は弟とゲームの取り合いしちゃってさぁ。まったく中1にもなってゲームごときで本気になるなってんだよ。」
一度もケンカしたことがないオレにとって、夢のような話だった。
「お前に譲ってやりたいくらいだよ。」
それは最高のプレゼントだ。
ラジコン、ゲーム、携帯、ギター、お金‥その他いろいろ。必要なモノはいつでも手にはいった。
ただし、喉から手がでるほど自ら欲しているモノ以外、だ。
オレが本当に欲しいモノ。それは絶対に手が届かない。
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